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2006年8月31日 (木)

カブラリ号 伊豆へいく

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《カブラリ》 名詞
 バイク「スーパーカブ」で、街を、海を、山を、ブラリブラリと散歩すること。

 夏休みのしめくくりとして、思い切ってカブラリ号で遠出をしてみたんだ。伊豆へ潜りにいってきたよ。

 伊豆まではどれくらいだろうか。距離としては100キロ以上はあるのだろう。カブラリ号でいかれる限界なのかな。
 いってみたいところはいくらでもある。信州の方に、カブラリ号でいってみたいという気持ちがある。いつか北海道をカブラリ号で走れたらいいだろうな。それでもカブラリ号は90ccだからね。そうそう遠出できるものでもない。日帰りだとすると伊豆あたり、それも東伊豆あたりがいいところなのだろう。そんなに気負うことのない距離ということで、今回伊豆、東伊豆の川奈にいってみた。シュノーケリングの道具を持ってね。

 毎年夏はいろいろなところに潜りにいっている。湘南地域に住んでいると、場所にも不自由しない。この夏は三浦半島の荒井浜で一回、葉山の森崎で一回、今回の川奈にも7月に一回きているから、4回目ということか。前回川奈で潜った時、どうしてだか水がにごっていて自分だけの水族館を堪能できなかったから、今回に期待しよう。

 今回のなによりのお楽しみは、初登場「防水デジカメ」だ。このためというのかな。
 毎年夏いろんなところで潜って、いろいろな生き物を眺めているけれど、その楽しみの延長として、「水中でも撮影できるデジカメ」というのを買ったんだ。 

 ペンタックスのオプティオWPだ。「Water Ploof」ということなんだろうな。
 自分の中で「デジカメ=精密機器」だから、水中で使えるどころか、水に濡らしてもいけないというくらい気を遣っていた。それが「水中でも撮影できる」というのだから、正直驚きだ。どんな風に撮れるのだろうか。興味深い。

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 本日はいい天気。潜っている時は晴天で太陽の光がないとつまらないからね。今日は絶好のシュノーケリング日和だ。
 途中真鶴のあたり。海岸沿いが有料道路で、山の上を一般道が通っているあたりだね。カブラリ号を停めて写真を撮ってみた。背景は海とみかん畑。緑色のみかんがなっているのがわかるかな。これから秋がやってきて、やがて冬になり、このみかんたちも熟していく。夏の真っ盛りだけれど、形としては立派なみかんだった。カブラリ号のゆっくりしたスピードでないと、こういう風景には気がつかない。

 川奈までは2時間半くらいかな。
 お恥ずかしいことだけれど、90ccのカブラリ号は、有料道路の西湘バイパスを走れないんだ。大磯までは海岸沿いの134号。大磯からは一般道の国道1号をひたすら走らない
といけない。ここで西湘バイパスが使えるとかなり時間が短縮できるのにな。
 今回は「カブラリ号でいく」ことに目的があるから、我慢我慢。
 まあ、2時間半というのは、バイクを楽しむのにはいい時間なんじゃないかな。そういうことにしておこう。

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 これは真鶴と川奈の間かな。「錦ヶ浦」というところ。景勝地として知られている。そこにある展望台によってみた。下に断崖が見えてスリルあったよ。

 いつも潜るところでカブラリ号を写したのが最初の写真。伊豆の川奈まできた証拠だ。下に見える岩場でいつも潜るんだ。

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 少し詳しく紹介しようか。
 このあたりは岩場で、海水浴場ではないんだ。ここから向こうの海水浴場を眺めてみようか。

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 あちら側は砂浜で通称「イルカ浜」っていうんだ。ただ泳ぐだけならあっちがいい。脱衣所やトイレもある。しかし潜るとなると、砂浜だとにごってしまってだめなんだ。だからこちらで。こちらはこちらで、そんな人たちがきている。小さい子供連れはイルカ浜にきているね。いずれにせよ、川奈の海はきれいだよ。

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 この日は平日ということもあってか、先客は数えるほど。それでもまだ夏休みだからか、子供連れが何組かいたよ。仲間に入れてもらってドボン。

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 水中の撮影はどうかな。いくつか作品をお見せするよ。

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 なかなかだろう。さすが「水中でも撮影できる」と謳うだけはあるね。ウニの写真なんて水中ではないみたいだ。でも、白状するとこの紹介できる何枚かの写真の陰に、とても紹介できないピンボケだとかなんだとかいっぱいある。まともに撮れたのは、10枚に1枚かな。ペンタックスの名誉のためにいうと、デジカメのせいではないんだ。簡単なこと。撮影している僕自身がプカリプカリ水中に漂っているわけだろう。この日そんなに波はなかったけれど、やっぱり泳ぎながら撮影するのは難しいよ。

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 「これを」と思っても、相手も生き物だ。じっとしていてくれない。ましてやポーズしてくれるものでもない。モニターも水中だとよく見えない。そんなわけで、「シャッターだけ押しておく」というやり方になってしまった。後になってからだ。そこにどんなものが写っていて、どんな具合なのかがわかるのは。動かないウニでさえ、自分自身の身体が固定されていないから、上手に写せない。それに、どんなに水がきれいといって撮影したい対象が何メートルも離れてしまうとだめだな。水深の深いところにいる大型の魚だとかは、まともに写っていなかった。残念。

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 それでも青い「コバルトスズメ」だとか、水中の様子が君にも楽しんでもらえるんじゃないかな。普段は絶対に見られない「沈黙の世界」だよ。楽しんでもらえるといいな。
 結論としては、「慣れ」が必要だね。慣れたらいい写真が撮れるんじゃないかな。次の腕試しは来年の夏になってしまうかもしれないけれど、「防水デジカメ」はいいおもちゃになりそうだ。

  今年は梅雨が長かったせいか、水温が低いように思う。僕は潜る時いつもウェットスーツを着るからまだいいけれど、それでも1時間というところだろうね。今日は40分くらいのを2回潜ったよ。片道2時間半ということは、往復5時間か。いざ潜るのは1時間半くらい。それでも、伊豆の海はくる価値がある。潜る価値がある。スーツさえ着ていれば9月でもまだ潜れる。もう一回くらいくる機会があるといいな。本当は西伊豆にも一度いきたいんだ。今年機会があるかな。

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 帰りにたまたま隣の港に寄ったんだ。港を背景にカブラリ号の写真でも撮ろうと思ってね。そうしたら、そこで「イルカセラピー」というのをやっていたよ。わかるかな。いけすの中にイルカがいるんだ。少し頭というのか背中が出ているのがわかるだろう。

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 この時周囲には身体に障害のある子供たちがいた。その子供たちをいけすに移して、これからイルカと触れ合いをしようというところだ。こういう取り組み興味深いね。僕もまたシュノーケリングという行為を通じて、海からなにかしらをいただいているのだろう。

 さて、帰り道。おもしろいものを見つけた。

 Imgp0392 相模川の橋の入り口にあった。「ネス湖のネッシー」と命名してみたけれど、どう思うかな。Imgp0393

 

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 帰り道の夕焼けは、この夏いちばんだったかもしれない。夏だというのに富士山まで浮かび上がってくれた。バイクに乗るという行為。シュノーケリングという行為。風景を見て和む気持ち。そういうのはすべて、「天候に恵まれた」からこそ。いい一日だった。夏休みのいい思い出になったよ。
 カブラリ号のやつ、意外とどこでもいってしまいそうだ。頼もしい。きっと問われるのはこちらの体力気力だな。

 いつか一緒に川奈の海に潜りにいこう。写真なんかよりもなによりも、自分の目で見るのがいちばんだよ。写らないもの伝わらないものまですべて含めて、「川奈の風景」だから。

 さて、いよいよ9月か。次はどんな風景を紹介してあげられるか。ごきげんよう。

 
 

 

 

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2006年8月18日 (金)

百日紅のある風景

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《カブラリ》 名詞
 バイク「スーパーカブ」で、街を、海を、山を、ブラリブラリと散歩すること。

 なにかしらトピックスがないと、なにも君に語ってあげられない。それじゃあ、いけないのかなって思うんだ。毎日毎日は刻一刻と変化している。風景も景色も人も、すべてが移り変わっていく。365日なに一つ同じということはない。日常の風景の中になにかしら語るものがあるのだろう。それに気がついていないだけで。

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 近所の百日紅が満開だ。この間の突然の雷雨で、前に話に出た「ピンクのじゅうたん」がお目見えしていた。我ながら「ピンク」というのは妙な気がする。まさしくこれは「紅」なんだろう。それでも自分の中では、なぜか散った百日紅の花は「ピンクのじゅうたん」ということになっている。もうそんな季節だ。

 時間を見つけて、「百日紅」のある風景を探しにいってきた。

 百日紅はどこにでもある。それだけに、君に見せてあげたい風景となると迷ってしまう。百日紅の価値というのはどういうものなのだろう。僕の中で「百日紅のある風景」となると鎌倉だ。今日は鎌倉に向かってみよう。

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 いつものように逗子の海岸を通っていくけれど、この日は好天に恵まれた日曜日ということもあって、大変なにぎわいだった。百日紅に負けないような真っ赤な花が海岸に咲き乱れている。ウィンドサーフィンの混雑ぶりも相当なものだ。フラリとこられるからこの風景を「混雑」としてしまうけれど、ここにきている人たちにしてみれば一年に一度のイベントなのかもしれないな。まさしく夏を満喫している人たちがあふれている。

 海水浴場は大にぎわいだけれど、逆にこの時期、百日紅を求めて寺巡りという人はそうはいないのだろう。海沿いの道を反れると、別世界かと思うような静けさがある。

 僕の中で鎌倉の百日紅というと「極楽寺」なんだ。まずは極楽寺に向かうので、海岸沿いの134号から、極楽寺坂切り通しに向かってみた。切り通しはどこもそうだけれど、空気がひんやりしているのがうれしい。極楽寺坂切り通しの途中にある紫陽花で有名な成就院に登ってみた。

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 紫陽花の季節ここからの風景が紹介されることが多いけれど、夏真っ盛りだから見られる風景もあるんだ。遠くに見えるのは由比ガ浜の海水浴場だ。にぎわっているのがわかるかな。成就院からの眺めは、四季折々その時ならではの風景を切り取ってくれる。

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 僕の大好きなイラストレーターにわたせせいぞうがいる。漫画家、コミック作家という位置づけなのかな。そのわたせの作品に『菜-さい』という作品があるんだ。まだ紹介したことがなかったかな。主人公「菜さん」と「耕平さん」の夫婦が、「鎌倉」とおぼしき町で、四季折々の風物詩に囲まれながら過ごす話なんだ。
 二人の背景には江ノ電が走り、鎌倉の町ならではの風景が背景となっている。わたせらしいカラフルな色使いで、飽きない作品だよ。紹介したことのある『ハートカクテル』は男女の恋愛模様を描いたものだけれど、『菜』は、「四季の風景とそこに淡々と生きる夫婦」を描いたものというのかな。

 その『菜』の中に、この成就院の階段が描かれていた。いつか『菜』を見せてあげるよ。君も思い当たる鎌倉の風景がいろいろなところに見つかるだろう。その時きっとこの成就院の階段とここからの風景に思い当たるだろう。それもあって、この機会によってみた。

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 極楽寺でちょうど江ノ電とすれ違った。どうしてもカメラを向けてしまう。江ノ電のある風景こそ鎌倉らしい風景という思い込みがあるのかな。

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 極楽寺の百日紅の立派さは、ちょっと他には見られない。百日紅でこれだけの幹周りのものはそうはないんじゃないかな。
  Imgp0254  百日紅って樹として考えた時、「太い」とか「どっしり」とかいうような形容をするものではないだろう。街路樹として植えられているもの、庭木として育てられているもの、百日間の紅という味わいがあるが故に、樹としてよりも花の方が重んじられている。
 僕の中で「百日紅なら極楽寺」というのは、なにより樹として立派ということだね。花の方はそんなについていなかった。あまりにも樹全体が大きすぎて、花の存在が目立たないのかな。存在そのものが圧倒される。もう少ししたらまたきてみようか。

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 もう一つ回ってみた。
 駅に近いわりには静かな、「本覚寺」だ。
 こちらにも枝振りの立派な百日紅が何本かある。ここも花はそれほどついていなかった。それでも百日紅越しに見る、夏の夕暮れ、寺の境内で一息入れる人たちの表情は、神社仏閣や四季折々の植物が身近にあるか鎌倉ならではの風景だった。いいものだ。

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 最後のいつものようにお気に入りの「妙本寺」によってみた。
 こちらは百日紅が目的ではない。妙本寺という空間、その空気、そこを取り巻く荘厳な静けさ、それらを味わってきた。鎌倉の寺ではここがいちばんいい。いつきても静かで、誰をも否定せず、誰にもおもねない。観光だとか夏休みだとかガイドブックだとか、そういうものと距離を置き、あくまでも信仰の場所として「寺」であり続ける。それは簡単なことじゃあない。妙本寺だけはいつまでも変わってもらいたくないな。
 暇があるとここにきている。なにをするでもなくぼうっとしている。境内で日向ぼっこしている猫なんで眺めたりしてね。僕は鎌倉の雰囲気を味わう時いつでもここにくるから、ありがたがって写真撮ったことがなかった。なにがあるものでもないんだ。そう、本当に「空気」なんだ。それは写真には写せない。写らない。銀杏の時が見物かもしれない。その時にでもまた紹介しよう。

 皮肉なことに、花としては近所の百日紅がいちばん立派かな。ピンクのじゅうたんの上でご満悦のカブラリ号を撮ってみたよ。

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 夏はまだまだ。横須賀の観音崎は海水浴客で大にぎわいだ。見ていてあきないよ。
 それでももう8月も半ば。カブラリ号に乗っていると、朝夕「風が違うな」って感じる場面もある。気がついたら、秋の風が吹くのかな。夏ならではの風景、あと何回伝えられるかな。

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 では、ごきげんよう。よい夏休みを。

 

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2006年8月10日 (木)

ぼんぼり祭りの夜に

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《カブラリ》 名詞
 バイク「スーパーカブ」で、街を、海を、山を、ブラリブラリと散歩すること。

 一年に一度のお楽しみ、ぼんぼり祭りにいってきた。

 ぼんぼり祭りは日が暮れてからだろう。途中海辺の様子をのぞきに黄金海岸によってみたよ。 Imgp0004    見ての通り、砂浜は閑散としていた。海の家も今日は店じまいのところも多い。開いているところも、手持ち無沙汰のようだった。
  Imgp0012  台風の影響でやや波が高かったけれど、思っている以上に海は静かだった。空の雲の様子はなかなかの見物だったよ。台風の描いたキャンバスというところかな。普段こんな空はなかなか見られない。台風のくれた贈り物だ。
Imgp0008  神々しいほどの空を背景にカップルがサーフィンの練習をしていた。遠くに江ノ島が見えるだろう。その向こうに丹沢の山並みと富士山が見えるはずなんだ。こんな空の様子の時に富士山まで浮かび上がるようならこれ以上はないという風景なんだけれど、雲が激しく流れるばかりで姿は見られなかった。残念。またいつか見せてあげられるといい。

 ぼんぼり祭りは鶴岡八幡宮で、「立秋を挟んで三日間」行なわれる。今年の場合8/8が二十四節気の一つ「立秋」だった。今年の場合8/7、8、9と行なわれるわけだ。。

 7日は都合がつかなかった。8日はいきなりの台風襲来だろう。ぼんぼり祭りは取りやめだった。今日9日も朝から雨だ。どうなることかと心配だった。7日にいっておけばよかったかなあと悔やむばかりだった。昼過ぎになってもはっきりしない天気で、やきもきするばかりだった。今日は最終日ということで後がないから、鶴岡八幡宮も気を利かしてくれたのだろうか。見上げれば雲が激しく流れているような空の様子だけれど、今日はぼんぼりが飾られていたよ。きた甲斐があった。なにせ、一年に一度のお楽しみだからね。ちょっと大げさかな。

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 明るいうちに一回りしてみた。ぼんぼりに明かりが灯るとにぎやかになるけれど、明るいとまだ空いている。お気に入りをゆっくり眺められたよ。

 これまではいつもぼんぼりに明かりが灯ってからいっていたからか、明かりを灯す場面を見たことがなかった。今年はたまたま早くいったこともあって、初めてこんな場面を見たよ。優雅なものだね。ちょっとタイムスリップをした気分になる。ちょうど一番上の本殿前で巫女たちの点灯に出くわした。ぼんぼりに明かりを灯しているのは平山郁夫だ。今年も一番上。鎌倉美術の顔ということなのだろうなImgp0022 Imgp0024 Imgp0032

 思い返すと、ぼんぼり祭りは台風に遭うことが多い。去年も確かこんな風にはっきりしない天候だった。ブラリブラリとのぞいていたら突然パラパラッときて、神社の宮司たちがあわてて片づけていた。ちょうどその場面に出くわした。一周すべて見終わったところで、鳥居のあたりにきたところだった。あっという間にぼんぼりが外されて、段葛の方からやってくる人たち、これから見ようという人たちは、唖然としていたよ。本当に素早い作業だった。
 無理もないことだろうな。あのぼんぼりって本当にいろいろな人が描いているけれど、その中には有名な洋画家から日本画家、書道家までいる。鶴岡八幡宮にしてみれば、それぞれの作品を預かっているようなものなのだから、大切に大切に扱うものなのだろう。今日もあやしい天気だったから、途中何度も「雨が降りだしたらぼんぼりをしまいます」という放送を入れていた。
 来場者にしてみると多少の雨なら続けてほしいと思うのだろうけれど、あのぼんぼりの出来栄えを見ると、大切な宝物のように扱うのは理解できる。「たかが三日間飾るだけのぼんぼり」なのに、あれだけの作品を描いてしまう製作者には頭が下がるばかりだ。

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 ぼんぼりに明かりが灯ると、雰囲気が一変する。幻想的だ。

 いつものようにお気に入りのイラストレーター鈴木英人を眺めたり、詩人翻訳家の加島正造を眺めたり。

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  英人は毎年のお楽しみだな。ぼんぼり祭りの絵柄だけはいつもの英人と違って毎回日本画風なのがいいね。いつものカラフルな調子を抑えてあえてぼんぼり祭り調なのがいい。

 正直洋画家や日本画家はわからない。  どうしても目につくのは「メディアに登場する有名人」だね。石原慎太郎や養老猛司をはじめとして、みのもんたや竹中直人もあった。今年初めて見たのが、『エヴァンゲリオン』の庵野秀明と『美人画報』の安野モヨ子かな。『美人画報』は若い人たちがずいぶん写真を撮っていたよ。

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 鎌倉になにかしらの縁のある人ということなんだろうけれど、よくこれだけの人に描いてもらえるなと感心するくらい様々な人たちがいたよ。ああいうところにサラリとなにかしら描けるというのは本当にうらやましい限りだ。もっとも「サラリ」なんてのは見ているだけの気楽な人間だからいえることなのかな。みんな力作だ。今年はこれが気に入った。「道問えば 木犀の家と 答えけり」だね。道を尋ねられた人は、それが誰の家ということでなく、あの香りが漂う金木犀の咲いている家と覚えているのだろう。僕のお気に入りの木犀だからということもあって、わかる気がするな。なんのことはないぼんぼりだけれど、印象に残っているよ。

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 僕にいわせると「絵画」と「音楽」は世界の共通語だ。国籍だとか人種だとか、そういうものを超越して老若男女の心に届くのが絵画と音楽だ。僕はその二つともだめだろう。だからこそ、こういうことができる人がうらやましい。ぼんぼり祭りの度にそれを痛感する。

 

 一年に一度のお楽しみぼんぼり祭り。どうなることかと心配したけれど、今年も見物できて、夏のいい思い出になった。

 

 ぼんぼり祭りが終わったら、明日10日は鎌倉の花火大会だ。鎌倉は夏真っ盛りを迎えて盛り上がっている。立秋を迎えて暦の上では秋。台風の過ぎ去った後の天気はどうなるのだろうか。また暑さがもどるのかな。

 

 「祭り」という名前なのにこれだけ静かなものはちょっと他にはないよ。ほんのわずかな時間だけれど、ろうそくの明かりで幻想の世界に連れていってくれる。いつかぼんぼり祭りに一緒にいかれるといい。そうして、夏の夜の別世界を、二人で堪能しようじゃないか。その日を楽しみにしている。

 

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2006年8月 7日 (月)

夏の一日

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《カブラリ》 名詞
 バイク「スーパーカブ」で、街を、海を、山を、ブラリブラリと散歩すること。

 

 暑い。
 言葉に出していうまでもないな。ますます暑さを感じるだけか。
 いくら日曜日でも、これだけ日差しが強烈だと、昼の最中に外に出るのはためらいがある。海水浴のようなところに出かけていくのならいいのだけれど、街へ出たりするには、ちよっとした決意が必要なくらいだ。「決意」だなんて、大げさだって笑われるかな。梅雨明けしてからのこの一週間毎日が「夏真っ盛り」だ。実際今日は日曜日だけれど、街には人も車も少なかった。みんな涼しいところに閉じこもっているのではないかな。

 こんな「夏の一日」だから見られる風景もあるかな、と夕方になってようやくカブラリ号のエンジンをかけてみたよ。

 こんな日はやっぱり水辺が恋しくなる。「黄金海岸」へいってみたよ。砂浜の賑わいぶりを、君に見せてあげたい。
 「黄金海岸」は、僕が勝手に命名した。葉山にある御用邸裏の一色海岸だ。海岸より一段高い松林から夕日を眺めていると、海面が本当に黄金色に染まる。それで「黄金海岸-こがねかいがん」。
 自分の中ではいつも「黄金海岸」だし、僕がいつもそう口にするから、実際周りの人たちでここを「黄金海岸」という地名だと思っている人もいる。
 そう思わせておこう。素敵な名前だろう。

 Dscn0557 途中前から一度写真に撮っておきたかった葉山の「棚田」によってきたよ。稲を植えていない時期に何度か通ったのを覚えているだろうか。あそこがこんな風になっている。
 美しいな。「美しい」というのは、こういう風景をいうのだろうな。日本の原風景がここにある。背景に見える緑が青空に映えて、夏を凝縮した場面だった。
 上からの写真と下からの写真と。下からのものは棚田らしい表情がわかってもらえるだろう。もう夕方の5時近い時間なんだ。長い影がわかるだろう。それなのに、日差しが容赦なく照りつけているのが伝わってくる。Dscn0561_1

 葉山というところは、すごく不思議な空間だ。ここから少しいくと葉山牛を育てている酪農家たちがいる。その先の海岸では、老若男女が夏を謳歌している。棚田があり海があり、自然体で暮らす人たちがいる。みんな自然と上手に共生している。うらやましい。

 Dscn0560 棚田の脇には一輪のひまわり。夏の日差しを全身に浴びて己のものとし、自らもまた太陽になろうかとしているようだ。照りつける日差しを誰よりもなによりも歓迎している。

 

 海岸にもそんな人たちがいた。街には日差しに辟易としている人たちがあふれかえっているけれど、ここの人たちはひまわりと同じだ。太陽を自分たちのものとしている。暑いからなのかな。いつもは休日でも5時過ぎともなるとみんな帰り支度をしていて、海岸も静けさを取り戻していくのだけれど、今日はみんなまだまだのんびりしていたよ。

 Dscn0564 海岸のにぎやかさが、君にも伝わったかな。潮風を感じられただろうか。
 これで8/8は暦の上では秋となる「立秋」だ。これで台風の一つもきてごらん。太陽を、日差しを、海を、身体中で堪能できる機会って、ありそうでいてそうはない。限られている。今日はその数少ない一日だった。この夏、こんな湘南の表情を何回紹介してあげられるかな。次は僕も、潜ってみるよ。
 じゃあまた。ごきげんよう。


 
 

 


 

 

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